猫の夜鳴き・夜中の運動会|理由の読み方と、静かな夜を作るためにできること

猫の困りごと
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午前3時。廊下を駆け抜ける足音か、ドアの向こうの「にゃーーー」で目が覚める。翌朝、寝不足の私の横で、猫は日なたですやすや。この理不尽、一度は味わっていますよね。

先に、いちばん大事なことを。夜の騒ぎは嫌がらせでも、しつけの失敗でもありません。そして「走り回る」と「鳴く」は別の話です。走り回るのは正常な行動で、遊びで減らせます。鳴くのには理由が4つあって、確かめる順番があります。

なお、この記事は診断ではありません。迷ったら動物病院に相談してください。

この記事でわかること

  • 夜中の運動会は正常な行動で、寝る前の遊びで減らせること
  • 夜鳴きの理由は「要求・環境・発情・体の変化」の4つに分けられること
  • シニア猫で急に始まった夜鳴きは、まず動物病院に相談すべきこと
  • 今夜からできる、夜の組み立て方

猫が夜中に元気なのは、生まれつきのリズムです

猫は薄明薄暮性といって、夜明けと夕暮れに最も活発になる動物で、夜中に走り回るのは異常ではありません。

薄明薄暮性とは、明け方と夕方に活動のピークがある性質のことです。狩りの時間帯に合わせた本能で、完全室内飼いだと昼間は寝だめして、夜にエネルギーが余る。運動会はその余りです。

人の生活リズムに寄せることはできますが、ゼロにはなりません。若い猫でとくに派手で、年齢とともに落ち着くことが多いです。発散のさせ方は完全室内飼いの猫の遊び方に書いています。

夜鳴きと運動会は、分けて考えると楽になります

夜中に走り回るのと、夜に鳴くのは別の行動です。運動会は遊びで減らせますが、夜鳴きは理由を確かめる必要があります。理由は大きく4つ。

確かめること鳴き方・出方の特徴次にすること
① 要求決まった時間に鳴く/人が起きると止まる応えない+夜の組み立てを見直す
② 環境・不安迎えて間もない/引っ越しのあと/外の猫の気配安心できる場所を作る
③ 発情未去勢・未避妊/低くうなる大声が数週間続く動物病院に相談
④ 体の変化シニアで急に始まった/虚空に向かって鳴く動物病院に相談

若い猫なら①②から見る。10歳を超えていて急に始まったなら、④を先に確かめる。 シニアの猫と暮らしている方は、次の項からどうぞ。

シニア猫が急に夜鳴きを始めたら、まず動物病院へ

それまで静かだった高齢の猫が急に夜に大声で鳴くようになったときは、加齢による体の変化が隠れていることがあるため、様子を見る前に動物病院に相談してください。

背景には、認知機能の変化、ホルモンや血圧に関わる変化、耳が遠くなって自分の声の大きさがわからない、関節の痛み、といったものがあるとされています。何が起きているかを決めるのは獣医師の仕事です。

大事なのは、若い猫向けの「応えない」対処を、シニアには使わないこと。不安で鳴いている猫を放っておくと悪化します。

受診のときに伝えると役立つのは、次の3つです。

  1. いつから、何時ごろ、どのくらい続くか
  2. 昼間の様子(よく寝ているか、食欲と水の量)
  3. スマホで録った鳴き声。病院では鳴いてくれないので

日々の観察と受診の線引きは猫の体調不良のサインにまとめています。

要求鳴きへの対処|応えないことと、先回りすること

ごはんや遊びを求める夜鳴きは、鳴けば人が起きると学習した結果です。だから夜は応えず、代わりに寝る前に要求を満たしておくのが基本になります。

一度でも起きてごはんを出すと、「鳴き続ければ出る」が強化されます。いちばんまずいのは、たまに応えること。「10回鳴けば1回は出る」と覚えた猫は、10回鳴きます。こういうところだけ賢いんです。

ただし前提があります。水・トイレ・安全が確保されていること。迎えたばかりの子猫とシニアではないこと。体調に変化がないこと。この3つです。

そしてもうひとつ。応えるのをやめると、最初の数日はむしろ激しくなります。 猫が全力を出してくる時期で、ここで折れると振り出しに戻ります。目安は1〜2週間。この山を越えると、急に静かになります。応えないとは「無視する」であって「叱る」ではありません。目を合わせない、声をかけない、それだけです。

先回りも効きます。早朝のごはん要求なら、寝る前の食事を少し遅らせる、自動給餌器に任せる。「人が出す」から「機械が出る」に変わると、人を起こす意味がなくなります。

夜の組み立て方|寝る前の1〜2時間でやること

夜を静かにするいちばんの近道は、寝る前に「遊ぶ→食べる→落ち着く」の順番を毎晩くり返すことです。「遊び足りない」は運動会と夜鳴きの両方に効く共通の原因なので、ここが本体です。

  1. 寝る1〜2時間前に、追いかけて捕まえる遊びを10〜15分、できれば2セット。最後は「捕まえさせて」終わる
  2. 遊びの直後に、その日の最後のごはん。狩って、食べて、眠る、の流れ
  3. 部屋を少しずつ暗く、静かにする
  4. 寝室に入れるなら、寝床とトイレと水を寝室側にも用意する
  5. 朝は鳴いたから起きるのではなく、決めた時間に起きて、まずごはん

ポイントは、毎晩同じ順番であることです。猫は習慣で動くので、2週間は続けてみてください。昼間ずっと留守なら、昼の退屈がそのまま夜に出ます。留守中の工夫は猫の留守番に。

環境や不安で鳴くとき

迎えて間もない猫や、引っ越し・模様替えのあとの夜鳴きは、不安から出ていることが多く、隠れられる場所と変わらない日課で落ち着いていきます。

迎えたばかりの子猫は、母猫やきょうだいと離れた寂しさで鳴きます。最初の数日から1週間は鳴くのが普通で、この時期だけは「応えない」を当てはめず、そばで静かに声をかけてあげてください。慣れるまでの過ごし方は猫を迎えたけど慣れてくれないに。

新入り猫がいる家では、夜に先住猫との距離が縮まりすぎて、緊張で鳴くことがあります。夜だけ部屋を分けると落ち着くことも。多頭の空気は先住猫との顔合わせあるあるに。

外の猫の気配も意外と多い原因です。窓の外を野良猫が通ると、鳴いて窓に張りつく。カーテンを閉めるだけで収まることがあります。外の猫に反応して出たがる子は、猫の脱走防止の窓の対策もあわせて。共通するのは、戻せるものは戻す、隠れ場所を用意する、日課を変えない、の3つです。

発情による夜鳴き

去勢・避妊をしていない猫の、低く長い大声の夜鳴きは発情によるもので、対処は動物病院に相談することです。

特徴は、低くうなるような声、床に体をこすりつける、外に出たがる、数週間続くこと。工夫では止まりません。手術の是非は獣医師と相談して決めるものなので、深追いしません。費用の目安は猫を飼うのにかかるお金に。

やってはいけないこと

夜鳴きに怒鳴る、水をかける、閉じ込める、といった対処は、猫の不安を強めて夜鳴きを長引かせます。

  • 怒鳴る、叩く、霧吹きで水をかける。恐怖と結びついて、鳴き方が変わるだけです
  • 罰として別室に閉じ込める。安心できる寝床がある部屋なら別ですが、罰では逆効果です
  • 鳴くたびに起きて様子を見る。それ自体が要求鳴きのごほうびになります

もう怒鳴ってしまった、という方。寝不足で冷静でいられる人はいません。猫は今夜のことで判断するので、今夜から順番を変えれば十分です。

わが家の場合

若い頃の運動会は、うちも立派なものでした。効いたのは、寝る前の遊びを習慣にしたことです。最初の1週間は「遊んだのに走るじゃないか」と思いましたが、2週間を過ぎたあたりで明らかに減りました。

失敗もあります。早朝のごはん要求に寝ぼけて一度だけ応えたら、しばらく毎朝4時に起こされました。「1回は出る」を覚えさせた私の負けです。自動給餌器に任せてから、私はただの同居人になり、朝は静かになりました。

3匹いると、運動会は連鎖します。1匹が走ると全員が起きる。「どうせ全員来る」と諦めがつくのが、多頭飼いの悟りです。12歳の子は夜の様子が変わったので、定期的に診てもらっています。

正直に言えば、ゼロにはなっていません。でも、起こされるのが週に何度かまで減れば、暮らせます。目指すのは静寂ではなく、その程度でいいと思っています。

よくある質問

Q. 夜鳴きは無視していいですか? 若く健康な猫の要求鳴きなら、水・トイレ・安全を確保したうえで応えないのが基本です。子猫とシニアには当てはめません。

Q. 無視したら、もっとひどくなりました。 最初の数日は激しくなるのが普通です。そこで応えると振り出しに戻るので、1〜2週間は続けてください。

Q. 老猫が急に夜鳴きを始めました。年のせいですか? 体の変化が隠れていることがあります。様子を見る前に、一度動物病院に相談してください。

まとめ

  • 夜中の運動会は正常。寝る前の遊びで前倒しする
  • 夜鳴きは「要求・環境・発情・体」の4つに分けて確かめる
  • シニアで急に始まったら、まず受診
  • 要求鳴きには応えない。最初の数日は激しくなると知っておく
  • 今夜からできるのは「遊ぶ→食べる→落ち着く」を毎晩同じ順番で

寝不足が続くと、猫を可愛いと思う余裕まで削られますよね。でも、理由がわかれば手の打ちようがある困りごとです。ほかの困った行動は猫の困った行動どうするに、焦らなくていいという話は猫と暮らすということに。

繰り返しますが、この記事は診断ではありません。迷ったら、動物病院へ。


書き手:猫と暮らして26年。現在は5歳・6歳・12歳の3匹(譲渡会と野良の保護出身)と暮らしています。獣医師ではありません。記事の内容は一般的な目安と、わが家の経験にもとづくものです。

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