猫の脱走防止|玄関・ベランダ・網戸、うちがやっている対策

猫を迎える前に
この記事は約7分で読めます。

先に、いちばん大事なことを。猫の脱走は「柵をつけていない家」だけで起きるのではありません。対策をした家の、人の動きにできた一瞬の穴で起きます。だから場所ごとの作り方と、人の習慣の両方を書きます。

この記事でわかること

  • 玄関・窓・ベランダ、場所ごとの脱走対策の作り方(賃貸でもできる方法)
  • 対策していても脱走が起きる4つの場面と、その防ぎ方
  • 猫が外に出たがる理由と、理由ごとの対処
  • 出てしまったときに、最初の48時間でやること

猫の脱走は「一瞬の穴」で起きます

猫の脱走は、対策をしていない家より、対策をしたうえで人の動きに穴ができた一瞬に起きることが多く、防ぐには場所の対策と人の習慣の両方が要ります。

完全室内飼いの猫は外に慣れていません。出ても、たいていは固まって近くの物陰に潜みます。それでも危ないのは、車、外の猫とのけんか、感染症、そして見つからないことです。

「うちの子は出たがらないから大丈夫」が、いちばんの穴になります。出たがらない猫も、驚いたときや外の猫に反応したときには出ます。

脱走防止の基本は「二重にする」ことです。片方が開いても、もう片方で止まる状態を作ります。

脱走が起きやすい4つの場面

脱走が起きやすいのは、宅配や来客で玄関が開く瞬間、換気で窓を開けたとき、引っ越しや工事のとき、そして発情期の4つです。

場面何が起きるか先に決めておくこと
① 宅配・来客気を取られた足元をすり抜ける玄関の内側に柵。受け取りは柵の内側で
② 換気・網戸網戸が外れる、すき間から出るストッパー上下2か所、開く幅を制限
③ 引っ越し・工事業者の出入りで扉が開けっぱなし猫を1部屋に隔離して張り紙
④ 発情・外の猫出たがる力が普段の何倍にもなる動物病院に相談。窓の外を見せない

うちの実感では、①がいちばん多い。以下、この順番で書いていきます。

玄関からの脱走はどう防ぐ?

玄関の対策は、玄関ドアと部屋のあいだに柵や扉をもう1枚置いて二重にし、外を開けるときは必ず内側が閉まっている状態を作ることです。

作り方は主に3つ。

  1. つっぱり式の脱走防止柵。賃貸向けで、壁に穴を開けません
  2. ワイヤーネットとつっぱり棒で自作。安い代わりに、すき間と強度に注意
  3. 廊下のドアを「内側の扉」にする。間取りによっては、これで済みます

高さは天井まで。腰の高さのベビーゲートは、成猫なら助走なしで越えます。すき間は、猫の頭が通らない幅(目安5cm以下)に。頭が通れば体は通ります。猫は液体、というのは冗談ではありません。

そして習慣です。「外を開ける前に、内側を閉める」を家族全員で徹底します。来客には「猫がいるので、ドアはすぐ閉めてください」と言う。言いにくいですが、言わないほうが後悔します。

猫が来る前にやっておく理由は猫を迎える前に揃えるもの・部屋の準備に書きました。

窓と網戸からの脱走はどう防ぐ?

窓の対策は、網戸ストッパーで網戸が外れないようにすることと、補助錠で開く幅を制限することの2つをセットで行います。

網戸は壁ではありません。体当たりで外れ、爪で破れ、器用な猫は自分で開けます。網戸だけで換気している家が、いちばん危ない家です。

  1. 網戸ストッパー(外れ防止)を上下2か所につける
  2. 窓の補助錠で、開く幅を制限する。目安は10cm以内
  3. 網戸を破る猫には、ペット用の強い網に張り替える
  4. 浴室やトイレの小窓も忘れない。「猫が届かない高さ」には、届きます

どれも壁に穴を開けずにできます。換気は、人がいるときだけ。留守中は換気扇に任せます。夏の温度管理との両立は猫の留守番に書いています。窓の外に野良猫が来る家は目隠しを。外の猫の気配は猫の夜鳴きの原因にもなります。

ベランダと庭は「出さない」が答えです

ベランダは落下と隣家への移動の両方の危険があるため、ネットで囲うより、猫を出さないことを前提にして、ベランダに続く窓を玄関と同じ扱いにするのが確実です。

猫は高いところから落ちても平気、というのは誤解です。「ネットを張ったから」で出すと、すき間、柵の上、隣との仕切り板の下、と抜け道はいくらでもあります。

ベランダに続く窓は、玄関と同じ「二重」で考えます。洗濯物を干す・取り込む時間が、換気と同じ穴になります。出る前に猫がついてきていないか振り返る。

一戸建ての庭も同じです。「庭までなら」は、必ず「道路まで」になります。外の空気は、窓辺にキャットタワーを置いて「見せる」で満たしてください。出す・出さないの線は、動かさないほうが楽です。

猫が外に出たがるのはなぜ?

猫が外に出たがる理由は、発情、外の猫や鳥への反応、退屈、元野良の記憶の4つに分けられ、それぞれ対処が違います。

理由出方の特徴対処
発情未去勢・未避妊、大声で鳴く、玄関に張りつく動物病院に相談
外の猫・鳥窓辺で尻尾を振る、カカカと鳴く窓の外を見せない、窓辺に登れないように
退屈・好奇心ドアが開くたびに廊下をのぞく家の中の刺激を増やす
元野良の記憶保護してしばらく外を見て鳴く時間が解決することが多い。対策は厳重に

退屈の解消は完全室内飼いの猫の遊び方に、手術の費用は猫を飼うのにかかるお金に書いています。

もし出てしまったら|最初の48時間にやること

完全室内飼いの猫が外に出た場合、家の近くの物陰に潜んでいることが多いので、最初の48時間は家の周囲を静かに、とくに夜明けと日暮れに探します。

  1. まず家の中をもう一度探す。押し入れ、家具の裏、洗濯機の中。外を探していたら家にいた、はよくあります
  2. 家の周囲を目線を低くして探す。植え込み、車の下、室外機の裏、隣家の物置の下
  3. 探す時間帯は夜明けと日暮れ。静かに、名前と、いつもの音(おやつの袋、食器の音)で呼ぶ
  4. 玄関の外に、使っている砂や毛布を置く。帰り道の目印になります
  5. 警察、自治体の動物愛護センターや保健所、近くの動物病院に連絡する
  6. 近所への聞き込みと張り紙。「怖がりなので追いかけないでください」を添える
  7. SNSや迷子猫掲示板に載せる
  8. 見つかったら、追いかけない。しゃがんで、待つ

数週間後に戻る例もあります。見つかったら、けがやノミ・ダニの確認に動物病院へ。猫の体調不良のサインも参考に。

自分を責めている方へ。一瞬の穴は、誰にでもあります。その力は、いま探すことに使ってください。

迷子札は「保険」です

出てしまったときに帰ってこられる確率を上げるのが、迷子札です。首輪に名前と電話番号をつけておくと、保護してくれた人がすぐ連絡できます。完全室内飼いでも「脱走のときのため」につける意味があります。首輪は、引っかかると外れる安全バックルのものを選んでください。

わが家の場合

うちは一戸建てで、玄関と廊下のあいだに自作の扉をつけています。宅配も来客も、この扉の内側で対応します。猫は扉の向こうから「誰?」という顔で見ていますが、そこまでです。

それでも、ヒヤリとしたことがあります。洗濯物を干すときです。いつもは部屋のドアを閉めてから庭に出るのですが、その日は、物陰に猫がいるのに気づきませんでした。庭に出て振り返ったら、私の後ろから、猫が庭に出てきていたのです。

すぐに抱えて戻して、事なきを得ました。でも、私の対策は「ドアを閉める」だけで、「閉める前に、部屋に猫がいないか見る」が抜けていたのです。3匹いると、1匹を見ていたら別の1匹が、になります。それ以来、部屋を見渡してからドアを閉め、庭に出たら一度振り返る、を癖にしています。

正直に言えば、26年やっていても、人の動きの穴は毎日あります。だから猫を見張るのではなく、物で止める。猫を責めないし、自分も責めない。それがうちの脱走対策です。

よくある質問

Q. 玄関の柵は、どのくらいの高さが必要ですか? 天井までが目安です。腰の高さは成猫なら越えます。

Q. 網戸があれば、窓を開けても大丈夫ですか? 網戸だけでは不十分です。外れ防止のストッパーと、開く幅を制限する補助錠をセットで使ってください。

Q. 猫が脱走したら、まずどこを探せばいいですか? 家の中をもう一度、次に家の周囲の物陰です。夜明けと日暮れに、静かに呼びながら探してください。

まとめ

  • 脱走は「一瞬の穴」で起きる。場所は二重に、習慣は「外を開ける前に内を閉める」
  • 玄関は二重扉、窓はストッパーと補助錠、ベランダと庭は出さない
  • 出たがる理由は4つ。理由に合わせて対処する
  • 出てしまったら、近くを、夜明けと日暮れに、静かに探す
  • 迷子札は保険。完全室内飼いでもつける意味がある

対策を積み上げても、ヒヤリはゼロにはなりません。でも、二重にしておけばヒヤリで済みます。ほかの困った行動は猫の困った行動どうするに、焦らなくていいという話は猫と暮らすということに書いています。


書き手:猫と暮らして26年。現在は5歳・6歳・12歳の3匹(譲渡会と野良の保護出身)と暮らしています。獣医師ではありません。記事の内容は一般的な目安と、わが家の経験にもとづくものです。

タイトルとURLをコピーしました