猫を迎えると決めた。せっかくなら保護猫にしよう。里親募集のサイトを開いたら、団体ごとに条件がびっしり並んでいて、申し込む前に気持ちが引いてしまった。そんな方、多いのではないでしょうか。
先に言ってしまうと、あの条件はぜんぶ、猫が二度目の引っ越しをしないための確認です。人を落とすためではありません。
覚悟の話は猫を迎えるということに書きました。この記事は「で、どこに行けばいいの?」に答えます。
この記事でわかること
- 保護猫を迎える3つの入口(愛護センター・保護団体・個人)の違い
- 申し込みから正式譲渡までの流れと、期間・費用の目安
- 審査で聞かれる条件と、その理由。単身や留守が長い人の選択肢
- 野良猫を保護してしまったとき、最初にやること
保護猫はどこから迎える?入口は3つ
保護猫を迎える入口は、自治体の動物愛護センター、保護団体が開く譲渡会、個人からの引き取りの3つに分かれます。費用と審査の丁寧さ、出会える猫の幅が違うので、優劣ではなく、自分の暮らしに合うほうを選びます。
| 入口 | 費用の目安 | 審査・条件 | 出会える猫 | 迎えた後のつながり |
|---|---|---|---|---|
| 動物愛護センター(自治体) | 無料〜数千円 | 講習会の受講、住環境の条件。自治体差が大きい | 子猫が多い時期と少ない時期がある | 薄め。相談先は自分で持つ |
| 保護団体・譲渡会 | 医療費の実費。2〜6万円ほど | もっとも丁寧。アンケート、面談、トライアル | 子猫からシニアまで幅広い。性格の情報が詳しい | 続く。困ったとき聞ける |
| 個人・知人・自分で保護 | 相手次第、または自分で負担 | ほぼなし | 縁で決まる | 自分で組む |
譲渡費用とは、その猫にすでにかかったワクチン・検査・避妊去勢などの医療費の一部を、迎える側が負担するお金のことです。猫の代金ではありません。
迷ったら譲渡会をおすすめします。性格を知っている人がいて、相性を確かめられて、迎えた後も聞ける相手がいるからです。
申し込みから正式譲渡まで、どんな流れ?
保護団体から迎える場合、探す・会う・申し込む・面談・トライアル・正式譲渡の6段階が一般的で、初めて会ってから家に来るまで2週間〜1か月ほどかかります。
- 探す。里親募集サイトや団体のSNS。条件は先に読んでおきます
- 会う。写真と実物は違います。抱けなくて当たり前です
- 申し込む。家族構成、住まい、留守時間、先住動物などを書きます
- 面談・電話。「あの子のほうが合うかも」と言われることもあります
- トライアル。1〜2週間、自宅で暮らしてみる仮の期間です。お互いに断れます
- 正式譲渡。契約書と譲渡費用の支払い。その後の報告が条件に入る団体もあります
意外に知られていないことを一つ。猫は、団体の人が家まで連れてきてくれることが多いです。届けるためだけではなく、家の広さや脱走防止を実際に見て、「この家に任せていいか」を判断する場でもあります。迎える日そのものが家庭訪問だと思えば、少し気が楽ではないでしょうか。うちは2匹ともこの形で、申し込みから1週間前後でした。猫より先に人間が部屋を片づけたのは、言うまでもありません。
愛護センターは、講習会を受けて見学・申請・譲渡という流れが多く、トライアルがないこともあります。
トライアル初日が、実質「迎える日」です。何を揃えておくかは猫を迎える前に揃えるもの・部屋の準備に、来た日からの過ごし方は最初の1週間でやるべきことに書いています。
審査で何を聞かれる?条件には理由がある
審査で聞かれるのは、完全室内飼い、脱走防止、住まい、留守時間、家族の同意、先住動物の健康、預け先の7つが中心です。どれも、猫が二度目の引っ越しをしないための確認です。
| よく聞かれる条件 | なぜ聞かれるか |
|---|---|
| 完全室内飼いにできるか | 事故・感染・迷子で、再び行方不明になるのを防ぐ |
| 脱走防止の対策があるか | 迎えて最初の数日がいちばん逃げる |
| ペット可の住まいか | 「飼えないと判明して手放す」を最初から断つ |
| 留守時間の長さ | 子猫は長い留守に向かない。成猫なら条件が変わる |
| 家族全員の同意 | 一人だけの熱意は、途中で崩れやすい |
| 先住動物の健康 | 感染の予防。顔合わせの計画も聞かれる |
| 預け先・後見人 | 単身や高齢の人にはとくに |
一人暮らしの方、留守が長い方へ。これらは「断られる条件」ではなく、「合う猫と合う団体を探すための条件」です。成猫やシニアを選ぶ、後見人を立てる、別の団体も見る。道は残っています。
「この子には別の家が合うと思います」と言われても、人を否定する言葉ではありません。別の団体、別の子、少し時間を置く。どれでもかまいません。
そして、正直に書いてください。条件を盛ると、困るのは猫です。うちは面談で、家を空ける時間、家の広さ、家族構成を聞かれました。断られたことは一度もありませんが、聞かれたことにそのまま答えただけだと思っています。
脱走防止の作り方は猫の脱走防止に、留守番の目安は猫の留守番に、先住猫がいる場合は先住猫との顔合わせに書きました。
譲渡費用はいくら?何に使われるお金なのか
保護団体からの譲渡費用は2〜6万円ほどが目安で、その猫にすでにかかった医療費の一部です。愛護センターは無料か数千円ですが、ワクチンや避妊去勢がまだなら、その分は迎えた後に自分で払います。
内訳はウイルス検査、ワクチン、駆虫、避妊去勢など。うちは2匹とも2〜3万円でした。
つまり「センターは安い、団体は高い」ではなく、「医療をどこまで済ませてくれているか」の差です。
お金を払っても、猫を「買った」わけではありません。契約書は猫を守るための書類です。迎えた後のお金は猫を飼うのにかかるお金にまとめています。
野良猫を保護したら|最初にやること
野良猫を保護したら、まず動物病院で診てもらい、次に飼い猫の可能性を確認し、先住猫がいるなら別室で隔離します。「迎える」の順序がぜんぶ逆になるので、準備は猫が来てから追いかけます。
- その日のうちに動物病院へ。何を調べるかは獣医師に任せてください
- 飼い猫の可能性を確認する。首輪や迷子札、地域の迷子情報、警察と自治体への届出。「うちの猫になる」と決めるのは、この後です
- 隔離する。先住猫がいるなら、検査結果が出るまで別室かケージで
- 必須6品を揃える。順序は逆ですが、追いかけて揃えます
- 慣らしは急がない。距離の縮め方は
猫を迎えたが慣れてくれないに書きました
うちの場合、朝見かけた子が夕方まで同じ場所にいて、毛が汚れ、痩せこけていました。それでも判断材料のひとつです。届出と確認は省かないでください。
わが家の場合|譲渡会で2匹、溝の中から1匹
26年で暮らした猫は4匹。野良保護が2匹、譲渡会が2匹です。
いまの12歳の子と6歳の子は、譲渡会の団体から来ました。12歳の子は6歳のとき、6歳の子は1歳のときです。トライアルの制度はありましたが、正直に言うと、会った瞬間から「よほどのことがなければうちの子」の気持ちでした。トライアルは私が迷う期間ではなく、猫がこの家を確かめる期間だったと思っています。
迎えた後も、健康状態のやりとりがしばらく続きました。写真を送ったら、とても喜んでくれました。報告は義務というより、託した人が安心する時間なのだと、そのとき知りました。
いまの5歳の子は、溝に落ちて鳴いていました。すでに2匹いたので病気が心配で、その日のうちに病院へ。隔離は3日間、ケージの中でした。準備も覚悟もぜんぶ後回し。この記事の順序をいちばん守れなかった子が、いまいちばん態度が大きいのですから、猫というのはよくわかりません。
そして26年前、最初の猫も野良保護でした。17歳まで一緒にいました。入口が野良でも、17年一緒にいられます。
入口は違っても、来てしまえばみんな「うちの猫」でした。
よくある質問
Q. 一人暮らしでも保護猫を迎えられますか? 団体によります。成猫を選ぶ、後見人を立てる、留守時間を正直に伝える、で道が開くことが多いです。
Q. トライアル中に「合わない」と思ったら? 正直に団体へ伝えてください。それは失敗ではなく、猫のための判断です。
Q. 子猫と成猫、初めてならどちらがいいですか? 留守時間、体力、先住猫の有無で決めます。うちの12歳の子は6歳で来ましたが、関係はちゃんと作れました。
Q. 野良猫を拾いました。飼い猫かもしれません。 首輪や迷子札を確認し、警察と自治体に届け、地域の迷子情報を見てください。判断はその後です。
まとめ
- 入口は3つ。費用・審査・出会える猫・迎えた後のつながりが違う。迷ったら譲渡会
- 流れは6段階。目安は2週間〜1か月。猫は団体の人が連れてくることが多い
- 審査の条件は、猫が二度目の引っ越しをしないための確認。単身や留守が長くても、合う猫と団体はある
- 譲渡費用は医療費の一部。「安い・高い」ではなく「どこまで済んでいるか」
- 野良を保護したら、病院・飼い猫の確認・隔離の順
審査に時間がかかるのは、猫の側から見れば「この家でいいか」を確かめている時間です。焦らなくていい理由は、ここにもあります。その話は猫と暮らすということに書きました。
書き手:猫と暮らして26年。現在は5歳・6歳・12歳の3匹(譲渡会と野良の保護出身)と暮らしています。獣医師ではありません。譲渡の条件・費用・期間は団体や自治体で異なります。記事の内容は一般的な目安と、わが家の経験にもとづくものです。
